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仏像・木彫像の修復

仏像・木製の彫刻の修復・保全を行います。

​現状維持を基本方針とし修復を行っています。

修復作業 参考写真

修復作品の一例です。拡大してご覧ください。

十一面観音菩薩坐像 修復

〔修復箇所〕

  • 頂上仏、頭上面6面、化仏、両手先を新補しました。

  • 額と鼻先の彩色剥落箇所を補彩しました。

  • 脱落や緩んだ装身具を取り付けました。

修復前 Before repair

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修復後 After repair

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観音菩薩立像 修復

〔修復箇所〕

  • 後補の塗膜を除去しました。

  • 両手先を新しく制作しました。

  • ​台座を新しく制作しました。

修復前 Before repair

観音修復前.jpg

修復後 After repair

観音書き出し.jpg

​撮影 : 大屋 孝雄

勢至菩薩立像 修復

〔修復箇所〕

  • 後世の彩色および漆箔を除去しました。

  • 失われた光背、蓮弁の半数、髻、装身具、両天衣を新しく制作しました。

  • 敷茄子、反花、框は後世に塗られた漆が脆くなっていたため、黒漆仕上げに塗り直しました。

  • ​衣部分は漆箔古色、それ以外は彩色古色で仕上げました。

修復前 Before repair

修復後 After repair

修復前_edited.jpg
修復後_edited.jpg

​毘沙門天立像 修復

〔修復箇所〕

  • 近世に造られた岩座の高さが高く、厨子に合っていないため、岩座と台座を制作しました。

  • 同じく近世に造られた両手先と宝塔が本体と合っていないため、制作しました。

  • ​光背と戟を制作しました。

修復前 Before repair

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修復後 After repair

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獅子 修復

修復前 Before repair

修復後 After repair

〔修復箇所〕

  • 全体をクリーニングしました。

  • 彩色と漆箔を剥落止めしました。

  • ​虫穴を埋め、古色を施しました。

  • 両足先を解体し、再接着しました。

  • 左眉と左顎の一部を補作しました。

  • 台座と金属製の支柱を制作し、     自立できるようにしました。

修復前1.jpg
獅子書き出し.jpg

​撮影 : 大屋 孝雄

加藤清正像 修復

修復前 Before repair

修復後 After repair

〔修復箇所〕

  • 全体をクリーニングしました。

  • 全体の彩色を剥落止めしました。

  • ​両手先、笏、かんざし、台座の一部などを補作しました。

  • 彩色の剥落した部分を補彩しました。

修復前.jpg
修復後正面.jpg

円空作 如来坐像 修復

〔修復箇所〕

  • 全体に虫損による穴が多数あったため、膠・砥の粉・マイクロバルーンを混合したものを注射器で充填しました。穴は完全には埋めず、少し凹みがある程度とし、古色を施しました。

修復前 Before repair

修復前

修復後 After repair

修復後

菩薩立像 修復

〔修復箇所〕

  • 光背、蓮弁を取り外し、全体をクリーニングしました

  • 剥離した塗膜を膠でおさえました。

  • 髻、両腕、両足先、蓮弁1枚、光背差込口、台座の一部を補作しました。

  • 蓮弁を拭き直しました。

  • 補作した部分を取り付け、古色を施しました。

  • ​台座の框を新補しました。

修復前 Before repair

観音修復前.jpg

修復後 After repair

完成正面.jpg

不動明王立像 修復

〔修復箇所〕

  • ​失われていた光背、宝剣、羂索を新しく制作しました。光背の高さは安置場所に合わせています。

修復中 During restoration

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修復後 After repair

正面 2.jpg

​阿弥陀如来立像 台座及び光背制作

〔修復箇所〕

  • ​安心して安置できるよう、台座と光背をヒノキで​新補しました。古色仕上げ。

修復後 After repair

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IMG_2002.jpg

狛犬 修復

〔修復箇所〕

  • ​像底が虫害などで脆弱なため、自立出来るようマチ材及び台座を制作しました。

修復後 After repair

獅子.jpg

石仏 台座制作

〔制作箇所〕

  • 安全に安置できるよう​、台座を制作しました。

     像底に合うマチ材と台座をヒノキで制作し、

     支柱を鉄で制作しました。

修復後 After repair

ガンダーラ正面.jpg
ガンダーラ右.jpg

修復作業 ご依頼から納品までの流れ

(1)相談依頼 お問い合わせ

  • お電話またはメールにて、お分かりになる範囲で詳しくお像の特徴をお知らせください。

  • 画像資料をお持ちの場合は、当方までお送りください。


例: お像の大きさ(高さ・幅・重さなど)
   像容(漆箔・彩色・素地仕上げなど)
   損傷具合(亀裂・欠失・破損・損傷の状態や経緯など)

(2)修復前調査

  • 修復を行う前に。見積書と調書(※)を作成いたします。

  • お像の調査は、ご依頼者様のもとに伺い、行います。

  • 調査のみも可能ですが、この段階で費用が発生する事があります。 発生費用内訳:交通費・人件費・書類作成費など


※ 調書:調査をもとにお像の正確な寸法・構造・形状・損傷状況などをまとめた報告書です。調査後、修復へ至らなかった場合も、後世に文化財を伝える大切な資料となります。
①お像の測定:
​お像の寸法を計測します。ご希望の場合、X 線調査を行う事ができます。お像胎内の納入品の有無や、釘の位置、お像の構造を調べる事ができます。

②損傷状態の記録:修理前の状況を後世に残すため、細かく記録します。
③写真撮影:現状を撮影し、資料として残します。

(3)見積書・修復方針のご提案 ご承認の確認

  • 修復前調査の資料をもとに、修復方針をご相談の上決定し、見積書を作成いたします。

  • ご承認いただけましたら、搬出の日程やその後の流れの打ち合わせを行います。

  • 関係者の方々へ修復内容のご説明や意見交流の場が必要な場合は、お気軽にご相談ください。

(4)搬出

  • ご希望の場合はお像の「魂抜き(※)」を行なっていただき、その後厳重に梱包し、修復作業場である当方まで運送します。


※ お像の魂抜き:仏像は最初にお祀りする際、「開眼供養(かいげんくよう)」と呼ばれる「魂入れ(たましいいれ)や、お性根入れ(おしょうねいれ)」と呼ばれる儀式を行ないます。つまり、仏像や仏壇には、仏や仏になった故人、先祖の魂などが宿っていると考えられています。そのため、修復作業に取り掛かる前には、魂やお性根を抜くことが必要とされています。具体的には、お坊さんに読経をしてもらいます。

(5)修復

  • 当方では、お像自体のもつ歴史的な価値を尊重し、過剰な修復は行いません。


主な作業工程は下記の通りです。 ※処置はお像によって異なります。


① 燻蒸:お像に潜む虫の駆除や、微生物の殺菌を行います。

⑥ クリーニング:埃や汚れを除去します。
② 剥落止め:彩色や漆箔などが浮き上がっている部分をお像に定着させる作業です。
③ 含浸強化:虫損や腐朽などによって脆弱化した部分に薬剤を浸透させ、強化する作業です。
④ 解体:緩んだ矧ぎ目などを一度解体し、古い接着剤などを除去します。
⑦ 補作:失われた箇所で、お像にとって必要な場合、新しく制作します。
⑧ 組み上げ:お像の各部材を改めて組み上げます。
⑨ 仕上げ:尊容を考慮しながら、新しく手を加えた箇所を中心に彩色や古色を施します。

(6)搬入(納品)

  • 当方での修復を終えたお像をご依頼主様のもとへお返しします。

  • 修復の内容を報告書としてまとめ、ご説明とともにお渡しします。

  • ご希望の場合、現地にて魂入れ(上記「魂抜き」の部分参照)を行い、完了です。

どんな細かなことでも構いません。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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